支える椅子の評価をお聞きしました
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
支える椅子の試作品が出来上がった時期に、医療法人緑桜会の作業療法士、大平泰博さんから利用者さんの身長を測ったデータを送っていただきました。
それがきっかけで、支える椅子の試用をお願いし、1ヶ月半ほどお使いいただいています。
先日、実際に訪問してご意見をお聞きしてきました。
主に通所リハビリの事業所でご試用いただいていたとのことです。
1.構造はしっかりしている
2.高さの低い椅子を探しても簡単には見つからない。低い高さが実現できるのはよい。
3.移動がスムーズに行える。床に置いたまま動かしても音がしない。
4.椅子に座ったまま床を蹴ると椅子を後ろに動かす事ができる。
5.椅子の肘を使ってプッシュアップで立とうとすると真上に立とうとしてしまって上手に立ち上がれないが、支える椅子には肘がないのでその心配はない。(その分、机を引いて立ち上がろうとしてしまう方はいる)
6.肘が無いので、椅子を大きく引かなくても椅子からの立ち座りが可能。ご自分で出来る方が増える。
7.背のカーブが、体が少し倒れる方でも真っすぐに支えている。疲れてくると体が斜めになる方も、真っすぐの状態で座ることができる。
8.少し重い
9.高さの変更に時間がかかる
10.価格が高い
*****
いかがでしたでしょうか。
3と4については、脚端についているプラパートの働きのためで、床に傷をつけずに椅子を出し入れすることができるよう配慮した結果です。
通所リハの事業所で、ご自分で移動できる方も多いので、肘が無いことによるメリットが多いようでした。
重さについては7.6kgで、一般的な大きめの肘付きチェアとほぼ同等の重さです。小ぶりな割には少し重いですね。
持ち上げて運ぶには少々重いですが、その分安定感はあると思います。
高さの変更についてはご指摘の通りです。
元々毎日高さを変えるようなことは想定していないため、4ヵ所のボルトを外して付け替えるのに10分程度かかります。
ある程度使用する方を限定できる事業所や在宅が最も適している利用場所といえるかもしれません。
価格については、現時点では今の価格を変更することは難しいのですが、将来に向けた課題として認識したいと思います。
医療法人緑桜会の大平さん、熊谷さん、ありがとうございました。
当日は、現在工事中の浴室も見せていただきました。
私がご提供している「浴室設計メールセミナー」を受講し、その内容を活かして設計されたとのこと。嬉しいですね。
訪問時の様子です。
一番低い高さに調整し、良い姿勢でお座りいただいています。テーブルがもう少し低いとさらに食べやすそうです。
時間が立ち疲れてくると体が傾いてしまう方とのことですが、真っすぐお座りいただけています。
こちらは工事中の浴室。壁も天井もひのき張り。完成が楽しみですね。