自立支援の方向へ
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
今週は今年の活動を振りかえって感じた事をお伝えしておりますが、今日はその最終日として「自立支援の方向へ」と題してお伝えします。
今年は色々な場所で講演をさせていただきました。
それぞれ、講演のテーマやお聞きになる対象の方がどんな方かで内容は変えているのですが、共通してお伝えしたことがあります。
それは、今後自立支援の介護がもっと重要となって来るだろう、ということです。
日本はこれからさらに高齢化率が高くなり、40~50年後には高齢化率が40%に近づきます。
高齢化率40%って、要は現役世代一人が高齢者一人を支える世の中です。
その時代は一体どうなっているのでしょう。世の中が成り立っているのでしょうか。
そして介護保険はその時も機能しているかどうか疑問です。
こんな状況にしないためには…
高齢者が増えても介護が必要な高齢者を増やさない、ということに真剣に取り組む必要があるはずです。
今の常識は、
健康→介護が必要になる→サービスを受ける→お亡くなりになる
という一方通行だと思います。
ですから、介護が必要にならないよう健康の状態をなるべく長く維持できるように「介護予防」に力が入れられているわけですね。
介護予防は、一定の効果はでているのだと思います。しかし決定打にはなっていない気がします。
この問題の解決のためには「一歩通行」の常識を打ち破る事に取組まざるを得ないということになるはずです。
健康→介護が必要になる→サービスを受ける→また元気になる
介護サービスを受ける事で、再び元気になる。あるいは、一度施設に入居してもまた自宅で暮らせる状態まで元気になって在宅でサービスを受けながら暮らす。
このようなことが今後求められるようになるはずだと感じます。
介護の現場はお年寄りを再び元気にする場所、そして介護職はお年寄りを元気にする専門職となるのではないでしょうか。
介護職の役割がこのように位置づけられれば、介護職の地位も待遇も高まるはずですよね。
この方向に進むならば、介護サービスというソフトも介護の環境づくりというハードも自立支援を目標において今から準備をすべきです。
そして、早く取組んで成果を上げる施設が今後生き残っていくことになるのでしょう。
私の役割は環境づくりですから、介護の場で利用者がご自分の力を生かしながら暮らす事のできる場づくりを今以上にすすめていきたいと思います。