07.認知症の方でもわかりやすい居室配置にしよう

介護環境デザイナーの間瀬樹省です。

 

介護施設の計画をしていると、居室の配置はどうしても廊下の左右に均等に並べてしまいがちになります。

 

面積の都合や、効率を考えるとそうなりがちなのですが、住まいとして考えると適切な計画とは言えません。

 

居室が一列に並んでいると、ご自分の部屋の場所がわからなくなってしまう方が多くなってしまいます。

 

またずっと遠くまで見通せる一直線の廊下が設けられてしまうこともありますが、これも認知症のお年寄りには落ち着かない空間になってしまいます。

 

見通しが良くて見守りが楽、と思われるかもしれませんが、お年寄りが落ち着かない状況になってしまうとずっと介護が大変になりますよね。

 

居室の配置を計画する際には、部屋を出るといきなり廊下、いきなり共用空間でない工夫を行いたいものです。

 

廊下から少し入ったところにドアを設ける、こうするだけで居室がずらっと並んだ雰囲気を大きく和らげることができます。

 

また、部屋の前の空間に、表札を設けたり自分らしい飾り付けを行ったりすることができるようになります。

 

自分の住まいであるという認識も高まりますし、部屋も見つけやすくなりますね。部屋への愛着も高まるでしょう。

 

また、長い廊下を設けるときには、途中に扉を設けるなどの工夫を行うだけで随分と雰囲気が変わります。

 

扉は、向こうが見える格子状の引き戸などでも良いと思います。空間を区切る事でだだっ広い雰囲気が和らぎます。

 

ぜひ今後の施設計画に活かしてください。

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部屋の入口位置を少し奥にするだけでぐっと雰囲気が変わります。