20.脱衣室もしっかり計画しましょう

介護環境デザイナーの間瀬樹省です。

 

介護施設の環境づくりのポイントも「20」になりました。

もう少し続けていきたいと思っていますので、お付き合いくだいね。

 

先週まで浴室関連の情報をお伝えしてきましたが、今日は関連の深い脱衣室についての情報をお届けします。

浴室と比べると、脱衣室は「なんとなくこんな感じかな?」という雰囲気で計画されてしまっているように感じます。

また、浴室が個浴中心の小さな浴室に移行していますので、脱衣室もそれに合わせた計画にしていく必要があります。

まず脱衣室は何を行う場所なのか、当たり前ですが考えておく必要があります。

 

・衣服を脱ぎ、その衣服を収納する
・入浴後に体を拭いて衣類を着る
・身だしなみを整える

 

車椅子でアプローチしてきて、これらの行為を行う事を考えると思ったよりもスペースは必要になります。

浴室と同じか少し広いスペースが用意できると良いですね。

椅子やベンチ、ベッドなどに座り替えて着替えをする方もいることを考えると、できれば余裕をもったスペースを確保したいものです。

逆に意外と少なくて良いのは棚です。

昔ながらの浴室は脱衣棚がずらっと並んでいることが多かったですが、一人ずつの入浴であればそれほど大きな棚は必要ありません。

一人分の衣類、タオル類、シャンプー等のストック、脱いだ衣類やタオル類の収納などがあれば十分ですね。

 

脱衣室もしっかり計画しましょう
こんなイメージです。

 

それともう一つ必要でないのが「洗面」です。

なぜか多くの脱衣室に洗面が設けられていますが、実際にはあまり使用されていません。

設計する方は、従来の大きな脱衣室や、家庭の脱衣室のイメージで設計に盛り込んでしまうのだと思いますが、無くても問題はありません。

 

家庭の場合は、脱衣室が朝の洗面や歯磨きのスペースを兼ねているので必要かもしれません。

でも介護施設の場合は別の場所で実施すると思いますので必要ないですよね。

無駄なコストをカットし、スペースを有効に利用できる方がいいのではないかと思います。

 

今日はこのあたりにします。来週は脱衣室に必要なアイテムを具体的にお伝えします。

介護施設の新設、あるいは改修工事で浴室を設計する場合には、ぜひ参考にしてくださいね。