介護施設における収納場所の大切さ
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
昨日訪問させていただいたのは、埼玉県内の特別養護老人ホームです。
5年前に建設された全室個室、ユニット型の新型特養です。
キリスト教が母体の施設という事で礼拝を行える集会室があったり、夜勤時に2つのユニットが連携を取りやすい平面計画など参考になることが多数ありましたが、印象に残ったのは収納についてです。
施設全体の収納場所、ユニット毎の収納場所がしっかりと確保されており、ユニット内はすっきりとしています。
お話を伺うと、この建物の建設に関わられた理事の方はこの特別養護老人ホームが4件目だそうです。
過去の経験から、設計上収納場所を確保することが大切であると分かった上で建築士に依頼し建設されたのだと感じました。
収納場所を計画する場合には「設置場所」「広さ」「バランス」に注意が必要です。
・設置場所
介護施設全体の収納場所と居室近くの収納場所、どちらも設ける必要がありますね。
施設全体の収納は、消耗品類などを通用口から搬入しやすく、そこから各フロアへ物品が運びやすい位置がベストです。
各フロアの居室近くの収納は、収納する物とそれを使う位置を考えてベストな場所に設置したいものです。
・広さ
施設全体の倉庫は、日頃の消耗品の他に施設内の行事に使用するものなど様々な物品の収納が予想されます。
なるべく広く確保しておきたいものですね。
各フロアの居室近くの収納は、数や広さが十分でないことが多く、これが施設内にモノがあふれかえる原因になります。
ゆとりのある広さと数を確保するようにしてください。
・バランス
収納は、いくら広く確保しても不思議と一杯になってしまうものです。
収納が広すぎると、必要の無い物まで保管したり、必要以上のストックを購入しておくことにつながる面もあります。
狭いよりは広い方が良いのですが、適正な広さを確保するというバランス感覚も必要になります。
また、一ヵ所に偏らず必要な時にアクセスしやすい位置にするという平面計画上のバランスも必要ですね。
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収納の広さや位置は、見た目の問題だけでなく業務効率に大きく影響します。
介護施設を設計する際には、建築士と十分相談して必要な収納場所を確保するようにしてください。