美味しく食事を食べてもらう方法とは
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
今週の月曜日、約半年ぶりに「すずの郷」を訪問しました。施設長さんから最近の取組みについてお伺いしたのでシェアしたいと思います。
すずの郷は、愛知県にある特別養護老人ホームです。
80室のユニット型特養の本館と、29室の地域密着型サテライトの特養である西館の2つの建物があります。
西館が竣工して2年が経過しましたが、見学を希望される方が結構いらっしゃるので、その度に一緒に訪問させてもらっています。
今回も色々と施設長がお話ししてくださいましたが、その中で食事に関する話しがあったのでご紹介します。
先月から本館の朝食の方法を変えたのだそうです。
西館は規模が小さいということもあり、共同生活室のキッチンでお年寄りの目の前で食事を作って食べてもらっています。
ですので皆さん喜ぶし実際に美味しいそうです。
しかし本館は厨房で作った食事を各ユニットに運んで食べてもらっているので、作りたてでない分味が落ちるのだとか。
また、食べている様子を見ても、お年寄りの食欲があまりないように感じていたそうです。
そこで本館も朝食ぐらいは目の前で作ったできたての食事を食べてもらおうということで、先月から取組みを開始されました。
1階は喫茶スペース、2階は厨房前の談話スペースに朝食の席を設け、朝食を食べたい方はその場所に移動します。
そこで和食・洋食の別や卵の焼き方についてオーダーをします。それを聞いた調理の職員さんが個別に作りできたてを提供します。
そうしたら、皆さんとても喜んで食べられるそうです。施設長の言葉を借りれば「お皿まで食べそうな勢い」だそうです。
やはり、料理は作る人の顔が見え、作る過程の音や香りも楽しむ物なのだと思います。
この話しを聞いて、こんなことができる仕掛けを今後の設計には設けておく必要があるなと再認識した次第です。
皆様の施設でも、ぜひ可能な事から始めてみてくださいね。
こちらが本館1階の喫茶スペース。朝食時はこちらが食事スペースになります。朝食用にテーブルが2台増えていますね。
こちらは西館の共同生活室。利用者さんが準備や片付けに参加でき、目の前で調理してもらった食事を食べる事のできる空間です。
駄菓子の販売コーナーは本館から西館に移動してきました。とてもいい感じです!
月一回開催しているツアーのパンフレットを見せていただきました。旅行好きの利用者さんを社長にした仮想の旅行会社を立ち上げ、その会社がパンフレットを発行し旅行を開催しています。利用者さんが主役であるという考え方が徹底していますね。