ショートステイで地域を支える

介護環境デザイナーの間瀬樹省です。

 

昨日は縁あって神奈川県相模原の施設を見学させていただきました。

 

見学させていただいたのは、今月オープンした「ずっと我が家 上溝本町」という施設です。

 

運営しているのは、社会福祉法人上溝緑寿会さん。相模原市上溝で特別養護老人ホームとケアハウスを運営されています。

 

上溝緑寿会さんは、来年で法人設立20周年を迎えられます。

 

それをきっかけに、地域でどんな役割を果たすべきなのかを職員さん全員で考え、スタートしたのが「ずっと我が家プロジェクト」です。

 

このプロジェクトは、支援が必要になっても「自分の居場所、自分が主役と実感できる場所がある」ことを目指すというもの。

 

この考えを実現する為に法人さんが選択したのは、ショートステイの施設を設けることでした。

 

元々運営していたデイサービスと新設のショートステイにより、地域での暮らしを支えていこうという訳です。

 

さらに日頃から地域の方々のふれあいの場となるよう、広場を設け商店街の朝市などが行われる予定です。

 

ショートステイ単独の施設の建設には補助金はつきません。それでもやはり必要なのはショートステイだということで建設に踏み切ったそうです。

 

建物は、自宅にいるような居心地、施設っぽさを極力排除しています。

 

建設地に元々建っていた建物の古い材料を活かしたり、地域にちなんだ様々な品々が置かれています。

 

オープン前にケアマネさんに施設の趣旨を説明してもなかなか理解してもらえなかったとのこと。

 

しかし、内覧会に来て建物を見てもらいながら説明すると「なるほど、こういうことだったのですね」と理解してもらえたそうです。

 

「ここならショートステイに拒否がある方でも大丈夫そう」という意見もあったとか。

 

今後、地域にとって心強い存在になれそうな場だなと感じた次第です。

 

見学させていただいた際の様子をご紹介します。

 

ずっと我が家 上溝本町1
住宅を意識した外観。建物は耐火木造建築です。

 

ずっと我が家 上溝本町2
エントランスホールでは、コンビニ、ヤクルトなどの販売を定期的に行うそうです。左のベンチは、元々建っていた建物の式台を再利用したもの。上のクッションも、ケアハウスの入居者さんの手作りです。

 

ずっと我が家 上溝本町3
こちらの図書コーナーは、敷地内にあった建物で所有されていた古い本の復刻本が中心となっています。

 

ずっと我が家 上溝本町4
こちらは近隣の方が作成し、寄付してくださったというアート。この建物の建設にあたり、近隣に声をかけたところこのような物が多数集まったそうです。スタート前から地域に愛されている場所である事がうかがえます。

 

ずっと我が家 上溝本町5
こちらはショートステイの居室。壁には地域の風景の写真と掲示板が設けらrています。掲示板には行事の予定がカレンダーと、利用者さんのその日の予定が書き込まれています。ここを利用される方の不安を少しでも取り除こうという配慮ですね。

 

ずっと我が家 上溝本町6
反対側の壁には洋服掛けがあります。あえて家具に収納せず、見えるようにすることで自分の居場所だと感じ安心できるような配慮です。

 

ずっと我が家 上溝本町7
居室ドアの上には時計があります。今の時間が意識できるよう、目線が多くいく扉の上に時計を設けています。

 

ずっと我が家 上溝本町8
通りに面した場所に設けられている広場。今週末にはここで地域の商店街の朝市が開かれるそうです。地域とのつながりを広げて行くために非常に良い場所です。

 

ずっと我が家 上溝本町9
元々敷地にあった大きな桜の木。春になるのがたのしみです。他にも敷地内にあった木々が多数植えられており、散歩を楽しむのにも非常に良い場所になっています。

 

こちらのサイトに、このプロジェクトの内容や考え方、ここで過ごす方々を想定したストーリー等がまとめっています。

 

>ずっと我が家 特設サイト

 

ご興味のある方、ぜひ読んでみてください。