介護施設トイレ用 引開き戸の効果

介護環境デザイナーの間瀬樹省です。

 

今日は先月ご紹介した新しいトイレ用の扉「引開き戸」の使用イメージや効果についてお伝えします。

 

先月開催された「高齢者住宅フェア」にて、大建工業さんのトイレ用の新しい扉「引開き戸」が発表されました。

>高齢者住宅フェア2013

 

 

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この扉のどこがすごいのか、今日はご説明したいと思います。

 

この扉を使用する場所の想定は、高齢者住宅等の居室に付随するトイレになります。

 

居室内のトイレは、車いすが全部入って扉を閉められる程広いスペースを確保するのは難しいことが多いですね。

 

車いすが入る程広くない場合は、車いすでトイレの近くに接近し、移乗してから車いすを外に出して扉を閉めるという使い方になるかと思います。

 

扉は車いすでも出入りしやすいように、引き戸にすることが多いですね。

 

引き戸は、車いすでより便器に接近しやすいよう、扉がなるべく大きく開くように2枚引き戸にすることも多いと思います。

 

しかし、引き戸にしてなるべく大きく開くように2枚引き戸にしてもどうしても便器の横には引いた扉が残る事になります。

 

この状態ですと、便器に移乗する際後ろからの介助をする場所はなくなりますし、前からの介助でも体の回転に支障が出やすいです。

 

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そこでこの問題を解決するのが「引開き戸」なんですね。

 

この扉は、2枚引き戸を引いた後、外に扉を開く事ができます。

 

ですので車いすからの移乗が必要な場合に、便器に近い場所に車いすを寄せることができるのです。

 

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居室トイレは広さが十分でない事が多く、介護をする方もご苦労が多いのではないかと思います。

 

この扉でしたら、車いすが入るトイレと同様の方法で介助する事ができますからかなり楽になるはずですね。

 

また引き戸は、引いた扉を収納する「戸袋」のスペースが必要になり、トイレの大きさが必要以上に大きくなってしまうことがあります。

 

しかし、この扉でしたらトイレの大きさを必要最小限にすることができて省スペースにもつながります。

 

「車いすでも使用できる比較的コンパクトなトイレ」を設置するには最適な扉と言えるでしょう。

 

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この扉、来年春には発売されるそうです。
今後介護施設の計画をされる場合、あるいは現在設計中の介護施設などで採用を検討してみてはいかがでしょう。