06.広く多目的な空間は避けよう

介護環境デザイナーの間瀬樹省です。

 

介護施設を計画する際、ついついやってしまいがちなのが「なるべく広くする」「何にでも使えるようにする」ということです。

 

「車いすでも余裕を持って移動できるように広くしたい」と考えると必要以上に広すぎる空間になってしまいがちです。

 

広すぎる事は、人が空間認識できる範囲を超えてしまうことになりやすいです。

 

自分の住まい、居場所と感じられなくなってしまいますね。

 

また、「何にでも使える場所に」しようとすると、何の特徴も無い何をするのかわからない空間になってしまいます。

 

人は、空間の造り見て何を行う空間なのかを感じ行動します。

 

テーブルと椅子があって近くのキッチンに食事が用意されていれば食事のスペースだとわかり、落ち着いて食事ができます。

 

明るすぎない場所にゆったりとしたソファーが置いてあれば、休息や静かな談話のスペースだと感じられるでしょう。

 

「食事」「くつろぎ」「談話」「休息」などそこで行う行為を想定して空間づくりを行う必要があるのです。

 

また、大きな一室とはせずに、小さな目的毎の空間がゆるやかにつながるような計画にすれば、行為に合わせた場所を選んで使えるようになりますね。

 

ぜひ今後の施設計画に活かしてください。

 

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近くにキッチンがあれば、だれでも食事のスペースだと認識できる。