不便益

通勤途中に携帯でニュースを見ていたら、気になる記事を見つけました。

京都大学の情報学研究科、川上特定教授が行っている「不便益」の研究についての記事でした。不便益とは「不便だからこそ得られる利益」のことをいうそうです。

例えば、遠足のお菓子は「300円分まで」などの制限があるからこそ、かえって商品を選ぶワクワクを生み、遠足の価値を高めることに貢献している、といったものから、高齢者施設のバリアアリーの考え方も、「階段や段差の多い施設」「手すりのない廊下」など、あえてバリアフリーに逆行する施設を高齢者に使わせることで老化を防止する、というのも不便益の発想であるとしています。

そういう自分は、便利さの象徴のようなスマホを使いこの記事を読んでいるので矛盾しているのですが、とても面白い研究だと思いまがら記事を読んでいました。このような研究のために、川上氏はスマホや携帯電話を持たない生活を送っているのだそうです。

川上氏はこれまで様々なものを開発されてきたそうです。
1) スマホ用のナビ『かすれるNAVI』
ナビは便利ですが、それに頼ると道を覚えなくなる。かすれるNAVIは、通ったことのある道はだんだんかすれていき3回通ると道が真っ白になるナビ、だそうです。

2)『かすれる電子辞書』
かすれるNAVIと同じ発想の辞書。消えていくのが面白いですが、忘れっぽい私には、
数ヶ月経ったら消えた箇所が思い出せないかもしれないです。こちらは、商品化寸前まで行ったと書いてありました。

3)『素数ものさし』
京大の生協で販売されているそうですが、2、3、5、7、11、13、17と素数しか書かれていない物差して、書かれていない長さは、引き算や足し算をしていくそうです。

朝から面白い記事を読み、すぐさまこのネット記事を友人群に送りました。みんなとても面白い、と喜んでくれました。この日は、朝のスタートに川上氏の記事が読めてラッキーでした。素数ものさしはいつか買いたいです。