25.手すりが無くても安心に移動できるように
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
先週は手すりについてお伝えしました。手すりは本当に必要なところにだけ設けようという話しでした。
手すりが無くても安心して移動出来れば良く、通常は杖や歩行器、車いすなど移動のための手段があるので手すりは活用されていないのですね。
ではデイサービスなどで、普通に歩けるけどたまに体を支えるためにつかまれるところがあると嬉しいという方の場合はどうでしょうか。
このときも体を支えるものは手すりである必要は無いですね。
家具を上手に配置すれば、そこに手を添える事で体を安定させる事が可能なはずです。
バリアありで有名な「夢のみずうみ村」では、足を一歩出したらそこにつかまることのできる家具があるような配置になっているでそうです。
窓枠などを少し大きくして手すりのように活用するというアイデアもあります。
でも、そうは言っても廊下には手すりを設けなさいと法律で決まっているではないか、という意見もあると思います。
だからといって、そこでビニール製の丸棒状の手すりを全ての廊下に設けてしまっては住まいとほど遠い雰囲気となってしまいます。
そんな場合、私がいくつかの現場で設置した手すりを参考にしていただければと思います。
廊下に設けた腰の高さにあるアクセントのような手すりです。手をかけてちょっと休んだり、手をのせて歩く事で安心感が得られる、そんな手すりです。
腰の高さにあるのが「手すり」です。腰の高さにあるアクセント、という感じです。飾り棚も手すりのようにつかまることができます。
手すりは、実はインテリアのイメージを大きく左右するアイテムです。
介護施設の新築や改修の計画の際には、ぜひ本当に手すりが必要な箇所とそのデザインについての設計検討をしっかり行ってください。