新チェアの特徴その1

介護環境デザイナーの間瀬樹省です。

 

昨日、私がデザインした新しい介護施設向けチェアの開発を進めていることをお伝えしました。

 

今日はそのチェアの特徴について、お伝えします。

 

今回デザインしたチェアの特徴の一つは「高さ調整ができる」ということです。

 

一般的な椅子の高さ、どの程度かお分かりですか?

 

大体42~44cm程度が多いと思います。

 

20代~30代の男性の座面高(膝と足首を90°にして座った時の座面の高さ)の平均値は38~39cmです。

 

履き物の厚みや座面クッションの沈み込みを考慮すると、42~44cmという高さは20代~30代の男性にぴったり合う高さということになります。

 

小柄な方にとっては座りにくい高さのはずですが、若い人は自分の体を家具に無理矢理合わせて使っているわけです。

 

しかし、介護が必要なお年寄りはそうはいきません。やはり家具を体に合わせてあげる必要がありますよね。

 

介護施設を利用される方は小柄な女性が多いですが、それでも体型は様々です。

 

そこで、より多くの方の体型に合うように高さ調整ができる
チェアをつくろうと思ったのです。

 

70代後半の女性の座面高さの平均は約33cmですが、履き物の厚みやクッションの沈み込みを計算に入れるとこれに合う高さは37cm程度になります。

 

(ちなみに70代後半の女性の平均身長は147cmです)

 

このチェアは、身長140cm程度の女性でも使える高さ35cmから身長170cmを超える方でも座れる高さ41cmまで2cm刻みで4段階に調整できるようにしました。

 

実は過去に高さ調整ができるチェアをいくつか見た事があります。

 

しかしその多くは脚の長さを変える機構で、とてもごつくて重く、「いかにも」という椅子になっていました。

 

今回のチェアは背・座の部分と脚の部分を別のパーツでつくりそれを固定する位置を変えるという方法を採りました。

 

ぱっと見た感じは、高さ調整チェアという感じがしないと思います。
新チェア1