ずっこけ座りになる理由
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
2014年6月に「SIG姿勢保持講習会」という講習会が埼玉県朝霞市の東洋大学のキャンパスで行われました。
「小児」と「高齢」の2コースが設けられ、私が参加したのは「高齢」。
今日はこの講習会で学んだ事の一部をシェアしたいと思います。
この講習会の内容の基になっているテキストがあります。
この本の最初の章にこんなことが書かれています。
「人は7分毎に体を大きく動かしている」
「座位で動かないように指示しても15分以上同じ姿勢は保てない」
同じ姿勢をとっていると、徐々に座圧が高まってくるので、人は自然に座り直して圧を下げているのです。
ですから、そもそも良い姿勢を保ち続ける事は難しく、姿勢は崩れるものという認識を持つ必要があるのです。
元気な方は、姿勢が崩れても自分で元に戻すことができます。でも介護が必要な高齢者の場合は難しいことが多いのです。
そのため介護者など他者に姿勢を直してもらうか、圧力を分散する素材を活用するなどの工夫が必要になるのですね。
姿勢の変化は自然なことだとして、ではいわゆるずっこけ座り(仙骨座り)になってしまうのはなぜでしょうか。
色々な理由があると思いますが、その一つとして背もたれの「反力」が挙げられます。
椅子や車いすの背に寄りかかると、寄りかかった力と同じ大きさの体を押し戻す力が働きます。
この体を前方向に押し出す力が加わる事で、次第にお尻が前に滑り出してずっこけ座り(仙骨座り)になってしまうというわけです。
これを防ぐには、必要以上に背もたれが倒れた椅子や車いすに座らないこと、あるいはお尻の前滑りを防ぐ機構を座面に設ける必要がありますね。
こんなことを頭に入れながら、ぜひ利用者さんの姿勢がどうなっているのか改めて見直してみていただければと思います。
ちなみに…
支える椅子は背を90度に近い角度にし、座面にお尻の前滑りを防ぐ機能を盛り込む事で良い姿勢で食事が出来るようにしています^^