エコハウスのウソ
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
先日「エコハウスのウソ」という本を読みました。
この本を書かれたのは、東京大学准教授の前真之氏。
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この本は、エコハウスを否定する訳ではなく、世の中にある「エコハウス」の方向性に対する疑問と本当の「エコ」を実現するための方法が論じられています。
よくある「エコハウス」は、大きな窓や吹き抜けで通風の確保を売りにしています。
しかし、そこに常駐する説明員が「全然快適でない」と漏らすエピソードが前書きに紹介されています。
通風を得る為には、そもそも風通しの良い立地である必要があるのですが、草原の中の一軒家でもないかぎり難しい面が多いようです。
となると、夏の暑さと冬の寒さをしのぐ為には気密や断熱性の高い住宅をつくることが求められるわけです。
窓は熱の出入りがどうしても大きくなりますから、できるだけ小さい方が良い訳ですね。
そしてエアコン。
暖房にはガスや灯油など色々な方法がありますが、どれもそれ自体を燃やして熱を得る方式なので、元々のエネルギー以上に暖かさを得る事はできません。
しかし、エアコンは外気の温度差を利用する(ヒートポンプという仕組み)ので、元の電気のエネルギーの約4~5倍の熱を得る事ができるのです。
例えば、950Wのエアコンで5000Wの熱を得る事が出来る、という訳です。
外気の温度差を利用するので、外があまりにも寒い地域では効率が悪くなるそうですが、他の地域では効率よく使用できるそうです。
冷房は、日本の夏にエアコンを使用しないのは現実的でないので、効率が良い小さなエアコンで、冷房しやすい狭い部屋で過ごす、というのが究極のエコになるようです。
一般の方向けに分かりやすい言葉で書かれた本ですので、読んでみてはいかがでしょうか。
施設だけでなく自宅での暮らしにも役立つ内容だと思います。