事務室にも配慮は必要です
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
今までこの「環境づくりのポイント」では利用者さんが使うスペースを中心にお伝えしてきました。
今日は「事務室」をテーマにしましたが、事務室についてはあまりきっちりと議論されないことが多いのではないでしょうか。
私が今日お伝えしたのは、利用者さんが見たときにどう感じるか、に配慮して欲しいということです。
「施設ではなく住まい」を目指して、居心地の良い空間を必死に作っても、事務室が普通のオフィスの感じだと残念な感じですよね。
ではどのように対応するかということですが、方法としては「見せても良い事務所にする」か「見えなくしてしまう」のどちらかを選ぶ事になります。
「見せても良い事務室」にする場合は、事務室も他のスペースと同じ雰囲気が感じられるようなスペースにします。
木を中心としたインテリアであれば、事務室の内装や家具も木にしたいですね。
それが無理でも「木目」にしておく事は必要でしょう。
木のインテリア、木の家具でまとられている事務室
オープンな事務室は、利用者さんも声をかけやすいですし、事務の職員も他の業務をサポートしたりすることができるので、できればこの方法をお勧めします。
「見えなくしてしまう」場合のお手本はホテルです。
ホテルのエントランスはカウンターが見えるだけ、カウンターの裏側には事務室がありますが、これは見えないようになっています。
どんな高級ホテルであっても、事務室は普通のスチールデスクが並んでいるものですが、そんなことは感じないですよね。
ただこの方法の場合は、受付に人が常駐することがある程度前提になるので、それが難しい場合の対応を考える必要があります。
事務所をどのようなデザインにしてどのように運営するかについてもぜひ他のスペース同様に検討しましょう。
介護施設の新設、あるいは改修工事で事務室を設計する場合には、ぜひ参考にしてくださいね。