分かりやすい空間をつくる
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
先日、ある病院で打合せがあり病院の前で待っていた時の事です。
その病院は移転新築して今月オープンしたばかりだったのですが、エントランスの目の前で迷っている方がいます。
「どこから入ったら良いんだろうね~」と言いながら困った様子でした。
エントランスの目の前で入口を探して迷っている、これは笑えない話ですよね。
確かに建物の1階はガラス主体のデザインで壁もガラス、扉もガラスですので分かりにくかったと思います。
また、入口らしき雰囲気の場所が他にもありましたので(職員さんの出入口や別棟の入口)、それでどこから入ってよいのか迷ってしまったという面もあるでしょう。
しかし、初めて訪れる患者さんの多くが迷ってしまうようでしたら今後の運営に大きな影響がありますよね。
エントランスを示す案内サインを追加したり、案内の人を配置するなど余計な手間やコストが発生しそうです。
迷ってしまう患者さんの満足度も下がってしまいますね。
空間をデザインする際には、どうしたら使いやすいかと徹底して検討すべきですが、この使いやすさには分かりやすさを加えて検討する必要があります。
ここがどこなのか、何をするスペースなのかが直感的に理解できないと結果的に使いやすい空間にはなりません。
介護施設内の各部屋や、それを構成する要素には「それさしさ」というのが何となくあるものです。
ぜひ室内の構成、デザインを決める際には「直感的に理解できるかどうか」を利用者さんの目線で検討する事を忘れないようにしてください。