利用者が退去する理由
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
先日参加しました「快てき会」という勉強会。
ここで「介護には流派がある」という話しがあったことをお伝えしました。
お話してくださったのは、株式会社ASFONの小嶋勝利さん。
介護業界のことを第三者的に冷静に捉えてお話をされているのがとても印象的でした。
小嶋さんの会社では、有料老人ホームの紹介をされています。
施設に改善して欲しいことがあっても、なかなか聞いてもらえない。だったらお客さんの立場になれば少しは意見が出来るのではないか、そんな気持ちで始められたそうです。
最近の有料老人ホームの状況についてお話ししてくださいましたが、施設を退去される方の理由が変わってきているそうです。
以前は、退去の理由はお亡くなりになる事であることがほとんどでした。
しかし最近は転居を理由に退去される方が増えているそうです。
なぜ退去してしまうのか、小嶋さんは入居者と施設の「ミスマッチ」だと説明されていました。
以前は、入居後に自分に合わない施設だと思っても、お年寄りは我慢をして暮らしていました。
しかし入居者の年代が変わるにつれ、考えていた暮らしができないとなると思いきって転居をされるようになってきたのだそうです。
住まいを変える事は、入居者にとって精神的・金銭的に大きなダメージとなります。
施設側にとっても良い事ではないですよね。
一度空室になると、再び入居してもらうためにまた大変な努力が必要になります。
小嶋さんは、施設側も自分の施設に合わない方だと思ったら「入居させない努力」も必要だろうとおっしゃていました。
より多くの方が、気に入った住まいに長く暮らせる、そうあって欲しいと思っています。