介護環境デザイナーの間瀬樹省です。

 

私が椅子の設計の根拠としている体格の数値データは、一般社団法人人間生活工学研究センターが実施した調査のデータです。

 

＞人間生活工学研究センター

 

2004年から2006年にかけて、日本人約7000人を対象に実施した調査で、人体の事細かな寸法を調査しています。

 

調査対象は79歳までで、残念ながら80歳以上の方については調査を行っていません。

 

参考に、75歳から79歳の身長について見てみると…

 

男性の平均値　約160cm
女性の平均値　約147cm

 

となっています。

 

これは70歳代の方の数値ですし、介護が必要な方ではないので、利用者さんとはちょっと数字が異なる可能性があるなと感じています。

 

そんな時、ご自分の法人の利用者さんの身長を測った調査結果を教えて下さった方がいます。

 

福島県白河市の医療法人緑桜会、作業療法士の大平泰博さんです。

 

＞医療法人緑桜会

 

医療法人緑桜会さんは、クリニックの他に通所リハビリ・グループホーム・複合型サービスを運営されています。

 

その利用者さん65名を対象に調査を行ったのだそうです。

 

その結果は、以下の通りです。

 

男性　138cm～174cm　平均は150cm台半ば
女性　124cm～158cm　平均は140cm台前半

 

平均値を見ると、人間生活工学研究センターの調査値より男女とも5cm程度低いという結果になっています。

 

今の高齢者施設の利用者さんは、かなり小柄である、という想定を裏付ける結果ですね。

 

ちなみに、調査をした方々が一般的な座面42cm程度の椅子を使用したとすると体に適合する率は、

 

男性　26％
女性　0％

 

という結果になっています。

 

普通の椅子を提供しても、ほとんどの方にサイズが合わないことがわかります。

 

医療法人緑桜会さんでは、椅子を購入される際に、サイズが合うものがなくご苦労されているとのことでした。

 

今回、支える椅子をお届けして試しに使っていただいたのですが、
その評価は…

 

また今度お伝えしますね。

 

医療法人緑桜会さんの事業所。クリニックに通所リハビリが併設されています。一番左に見えるのは現在建築中の浴室棟（！）。