日本の家は寒い、介護施設は大丈夫?
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
先月、ドイツと日本の住宅について考えるフォーラムに参加しました。
そこで発表された内容が、かなり考えさせられる内容でしたのでご紹介します。
日本の住宅は、最近省エネに配慮して「高気密、高断熱」を謳ったものが増えてきました。
しかし、日本で最高レベルと言われている高気密、高断熱住宅はドイツでは建築基準法の基準以下、法律違反のレベルであることをご存知でしょうか。
ドイツの住宅は室内は平均20℃に保たれています。
温度が低い寝室でも16℃以下にはなりません。温かさが必要な脱衣室などは24℃になっています。
では日本の家はどうか、というと家の中でも温度が5°まで下がる部屋があるというのが実情です。
そのため、日本では人がいる部屋だけを一生懸命暖めます。
そうすると家の中に大きな温度差が生じ、いわゆるヒートショックで健康を害する原因になるのです。
ドイツを中心とする欧州の家は、家全体を暖めています。でも高気密・高断熱を徹底しているので、光熱費を低く抑える事ができているのです。
日本は、暖める部屋を限定してエネルギーをセーブしているのですが、これは健康を犠牲にし我慢の上に成り立っている訳です。
では介護施設ではどうでしょうか?
一般住宅と同じように寒い部屋をつくってしまう訳にはいきませんから、空調を目一杯使って温度をキープしていると思います。
そのため冬は室内が乾燥して、いくら加湿をしても追いつかないということになってしまいますし、電気代も非常にたくさんかかっているはずです。
介護施設もドイツ基準で設計する事で、そこで暮らす方がより快適に過ごせるのではないか、と最近感じています。
今後は、この「介護施設内の温度環境の改善」も私の取組むテーマの一つになりそうです。
皆様の施設の温度環境はいかがでしょうか?
快適に過ごせていますでしょうか?
何かお感じになっている事があれば、ぜひご意見ください。