12.トイレの配置について考えよう
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
介護施設では「排泄」の介護がとても大切になりますよね。
排泄と言えば、非常に密接な関係にあるのがトイレの計画です。
トイレについては様々配慮しなければならない点がありますが、今日は配置についてお伝えします。
トイレは介護施設の中の色々な場所に設けられますので、場所毎に配置の考え方をお伝えします。
・食事スペースなど共用のスペースに近接するトイレ
利用者さん10名に最低1ヵ所の目安で設置しましょう。
排泄の介助は他のことに優先して行いたいですから、なるべく近い位置にトイレを設けることが必要になります。
ただ、トイレが食事のスペースから丸見えというのはあまり気分の良いものではないので、配置の工夫が必要です。
トイレを複数設けることが可能な場合は、左右逆のタイプのトイレとします。
ご自身が動かしやすい側の手・足を使って利用できるトイレを選んで使用できるようになります。
・浴室に近接するトイレ
入浴前にトイレを済ましておきたい、また入浴中にトイレに行きたいということはありますよね。
可能であれば、脱衣室からアプローチできるトイレを設置したいものです。
廊下からも利用できるようにしておくと、共用のトイレとして利用できるようになり利用頻度の高いトイレとすることができます。
昔は浴室内に汚物流しが設けられているのをよく見かけましたが、トイレがあればある程度のことは対応可能になります。
・居室のトイレ、居室に近接するトイレ
居室にトイレを設ける場合、車いすが中に入るスペースを確保するのは難しいことが多いですね。
その場合は、移乗後に車いすを外において扉を閉めることに配慮して部屋の広さを決めることが必要になります。
中途半端に広すぎると車いすを外に出すのが大変になります。
居室内にトイレを設けられない場合は、共用のトイレを近くに配置するようにします。
目安としては、3室に1ヵ所程度とします。居室からなるべく近い位置に配置するようにしましょう。
今後の施設計画、設計、改修工事などの際にぜひ参考にしてください。