新チェアの特徴その4
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
先週、3日間に渡って私がデザインした新しい介護施設向けチェアの特徴をお伝えしてきました。
今日はその続き、もしかすると一番大きなかもしれない特徴についてお伝えしますね。
今回のチェアの4つめの特徴、それは椅子の背の形状です。
このチェアのデザインの特徴にもなっていますね。
大きくラウンドした形状にしたのには理由があります。
介護施設でチェアを購入される際、肘付きを希望される施設が多いと思います。
肘付きを希望される理由ですが、立ち座りの際の補助になるようにということが理由かと思っていた。
しかし、家具メーカーや販売会社の方、また施設の方からもお話を聞くと、どうもそれだけではないようです。
椅子に座ったときに上半身が安定しない方がいらっしゃるので、その支えとして肘が欲しいということなのですね。
この話しをお聞きして、本当にこれで良いのかなと思ってしまったのです。
椅子の肘は元々腕を乗せて休ませるものですね。
腕の重さは体重の8%程度ありますから、それなりに重いので椅子の肘に乗せると楽な訳です。
でも体を支えるようにはできていません。
体を支えるには硬すぎるでしょうし、位置も低すぎます。
この問題を解決するためにデザインしたのが、今回の背の形状なのです。
背を両側に大きくラウンドさせる事で、体が横に傾くのを支えます。
ダイニングチェアですので、通常テーブルが正面にありますから、前傾姿勢になった場合にはテーブルに手をついていただく感じです。
先日「家デイ」さんで利用者の皆さんに座って頂いた際は、「気持ちいいね~」と言っていただけました。
上半身が安定しないという方はいらっしゃらなかったのですが、普通よりも腰のサポートがしっかりしていて、クッションもあるので座り心地が良かったようです。
さてこの形状でどの程度体をしっかり支える事ができるのか、これはもう少し検証してみたいと考えています。
もしもこのチェアを使用してみたい、試してみたい、という施設の方がいらしたらぜひ連絡ください。
試作のチェアになりますが、お届けいたします。ぜひご協力の程、宜しくお願いいたします!