認知症介護で行列ができる事業所をつくる
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
先週の土曜日、変わった場所で勉強会が開催されました。
茅ヶ崎の焼き肉屋さんです。
(終了後は、非常に美味しい焼き肉をいただきました^^)
講師をされたのは、株式会社NGUの山出貴宏さん。
>株式会社NGU
>山出さんブログ
勉強会の内容は「実践!認知症ケア」ということで、山出さんが経営されている事業所で実際にやって成果がでていることの紹介でした。
その内容はズバリ「不快を徹底的に取り除く」ことです。
今の認知症介護の理論では、中核症状とBPSD(周辺症状)があって、中核症状について学んだりBPSDが中核症状に移行しないようなサポートを行おうという方向なのだとか。
これに対し山出さんが事業所「扉」で行っているのは、BPSDを取り除くサポートなのだそうです。
認知症の方は「忘れてしまう」ことや「記憶できない」ことにより「不快」や「不安」を抱えています。
この不安や不快が様々な症状として表れている訳です。
「不安」を取り除く事は難しいですが、「不快」は取り除く事ができるはずですね。
そこで、人それぞれ違う「不快」をしっかりと見極め、それを取り除く事に取組んでいるのだそうです。
例えば立ちたいと思っている方がいると、立てる方法を教えてあげます。
この時のポイントは、その方を介助で立たせるのではなく立つ為の方法を教えてあげること。
毎回介助を行うと「依存」を作ってしまい、サポートが無いと新たな不安や不快を作ってしまいます。
ご自分で立てるようになり、利用者さんは「快」の状況になります。
例えば元料理人の方、砥石と包丁を見える場所に置いておきます。そうすると「研ぎましょうか」と言ってくれます。
このときも、こちらからお願いするのではなく自分からやってもらうようにするのがポイント。
自分がやりたい事をやるのが「快」なのですね。
そして大切なのが「時間」。
やりたい事をしていても、集中力が続かないと「不快」になるので、そこをしっかり見極める必要があるそうです。
こうしたことを行っていると、利用者さんによい変化が出てくるそうです。
このような取組みは大変だと思われるかもしれませんが実はとても重要です。
なぜかと言えば、利用者さんが「あそこに行きたい」と言ってくれるようになるから。
今まで他のデイには行きたがらなかった利用者さんも「扉」には
行きたい、ということになるのです。
これって、経営につながりますよね。
デイサービス激戦地の立地にも関わらず、すでに定員一杯でお断りする状況になってしまっているそうです。
利用者さんのアセスメントをしっかり行い、不快を徹底的に取り除くケアで利用者さんを快適にして、経営にも良い影響がでる。
理想的な形だなと感じた次第です。
皆様の事業所の状況はいかがでしょうか?