居室用家具への配慮
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
今日は先週の後半お伝えしていた居室についての続き、居室に設ける家具についてお伝えします。
個室での施設整備が増え、居室に設ける家具についても考え方が随分と変わってきたと思います。
ユニット型個室の制度がスタートした当初、家具についての認識はなかなか4床室のときと変わりませんでした。
「家具は施設で用意した物だけ」
「持ち込む量は一定量だけ」
でも、折角の個室ですからそこに住む方の個性に合わせ、ご自身の持ち物に囲まれて暮らすべきですよね。
ですから「個人の荷物をどんどん持ってきてもらいましょう」と施設に方にはお伝えしてきました。
実際に入居者の家具で部屋をコーディネイトするとその人らしさが演出されてとても良い雰囲気になります。
しかし、困ることが一つあります。
それは家具が使いにくいということです。
病院を転々とされ、すでに家具を持っていない方などは、ご家族が用意してくれた樹脂製の押入れ収納で暮らすということになってしまっています。
こんな家具しかないと、利用者さんは当然使用できず、職員さんでさえ出し入れに苦労することになります。
私は、居室はその人の家具で構成すべきと考えますが、生活を支える収納家具については、使いやすい物をひとつ施設側で用意しておく必要があるだろうと思っています。
家具のデザインについては、また改めてご紹介します。