10.複数の小さな居場所をつくろう

介護環境デザイナーの間瀬樹省です。

 

居室から出て過ごす場所として、食事の場所以外にも複数の小さな居場所を設けましょう。

 

小さな居場所の必要性、設置のメリットは以下の通りです。

 

・居室、食堂以外の居場所を提供できる

 

介護施設での生活は、居室と食事スペースの往復になってしまいがちです。

 

日中を過ごす場所が食事スペースしかなければ、当然そうなってしまうでしょう。

 

しかし、小さな居場所が複数あれば、居室と食事スペースの往復だけでない生活が可能となります。

 

・気の合う仲間と過ごせる

 

介護施設に住む住人は、元々は他人。

 

気が合う方がいれば、そうでない方もいるでしょう。

 

居室以外の居場所が食事スペースしかないと、気が合わない方とも一日中顔を合わせて過ごさなくてはなりません。

 

それがいやなら居室に戻るしかないわけです。

 

食事スペース以外に小さな居場所があれば、一人でも気が合う方とでも場所を変えて過ごすことができるようになるのです。

 

・過ごす姿勢を複数設けやすい

 

食事のスペースには、テーブルと椅子が設けられていると思います。

 

食事には良いですが、それ以外の時間はソファや畳で過ごしたいと思うこともあるでしょう。

 

食事スペースとは別に小さな居場所を設けていれば、ソファーや畳などテーブル&椅子に変わる家具をやインテリアにすることが出来ます。

 

利用者さんは、その時の気分や体調に合わせて好きな姿勢を選んで過ごすことができるようになるのです。

 

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いかがでしたでしょうか。

 

今後の施設計画、設計、改修工事などの際にぜひ参考にしてください。

 

複数の小さな居場所をつくろう
食事スペースの横に設けた堀こたつ式の談話スペース。落ち着いて過ごすことができそうですね。