多床室でのプライバシー確保
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
昨日は多床室での施設整備について書かせてもらいました。
今日はその多床室でのプライバシー確保についてです。
介護施設の多床室は、個室と比較するとプライバシーの面では大変不利であると言わざるを得ませんね。
家具やカーテンで仕切りを作っても、音やにおいはどうしても周囲に影響を与えてしまいます。
また、夜間に照明を点ければその明かりはもれてしまいます。
正直大変難しいのですが、せめてより独立したスペースであるという雰囲気を演出し、暮らしやすい場が作りやすいようにできればと思います。
4床室でのプライバシー確保の方法として、家具でベッド間を仕切るという方法が用いられます。
私も過去、施主さんからそのようなご要望をいただき家具をデザインしたこともありますが少々疑問を感じています。
それは、家具で仕切ってしまうと、家具の位置が固定されてしまって利用者さんの本当に使いやすい位置に家具を設置することができなくなってしまうことです。
体の状況は人それぞれですので、ベッドと家具の位置関係もその方に合わせて考えて家具を配置したいですよね。
そのためには、空間を仕切る間仕切りと家具は別々に考えたほうが良いと思うのです。
4床室の仕切り=家具、と考えてしまいがちですが、空間の仕切りは間仕切りで、収納家具は使いやすい場所に置いてつかえるようにと役割分担したほうが良いです。
4床室の施設、全国にたくさんあると思います。
プライバシーの確保のために色々な工夫をされているかと思いますが、ぜひ参考にしていただければと思います。